マイナンバーと公的個人認証サービス
開始当初は「社会保障」「税」「災害」の分野に用途が限られるマイナンバー制度ですが、政府の狙いはそれだけにとどまりません。2015年9月3日に成立した改正マイナンバー法案では、2018年に金融機関の預貯金口座とマイナンバーをひも付ける(預金口座とマイナンバーを結びつける)ことなどが決まりました。政府は2016年までを制度の導入と位置づけ、17~18年には「ワンカード化」を促進しようとしています。ワンカード化とは、個人番号カードに様々なサービスを付加することです。
これが進めば、国民は個人番号カードを1枚持っているだけで、さまざまな恩恵を享受できるのです。政府がワンカード化を進める際の起爆剤と見込んでいるのは、総務省が所管する「公的個人認証サービス」の民間開放です。公的個人認証サービスとは、ネット上で行政手続きを安全かつ確実に行う仕組みのことをいいます。ネットの手続きでは本人確認の際、なりすましや改ざんのリスクがありますが、これを活用すれば防ぐことができます。
公的個人認証サービスは16年1月から民間への解放が予定されており、政府は個人番号カードを通じ、国民が利用できるサービスを次々に増やしていきたいと考えています。直接の民間開放ではありませんが、18年4月をメドに実施を予定している健康保険証との一体化も、個人番号カードの普及に貢献すると期待されています。今のところ個人番号カードの申請は任意で発行手数料も無料ですが、将来は有料化される可能性があり、カードの所有が義務化される可能性もあると言われています。
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